2022.10.20

テレワーク・ワーケーション受入れ研修会Part2~広報・PRのプレスリリースの書き方~

2022年10月12日、道の駅丹後王国「食のみやこ」情報交流センターでテレワーク・ワーケーション受入れ研修会の第2回目を行いました。

テレワーク・ワーケーション受入れ研修会の第1回目についてはこちら▼

https://note.com/embed/notes/n1ad9aee51831

第2回目は、(株)地方創生 代表取締役社長 近江 淳 氏 を講師に、「広報・PRのプレスリリースの書き方」についてお話をいただきました。

株式会社 地方創生株式会社地方創生は、地方各地の魅力を発見し、伝えつつ、「仕事」を結び付ける。地方における雇用創出を最大の使命として取り組んchihousousei.jp

【SPEAKER】

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1.広報の基本的考え方

広報活動=リレーションズ活動でもあり、各ステークホルダー(利害関係者)との「信頼関係を構築する」ための活動と考えます。
まずは広報活動を通じて、信頼関係を構築するために「認知」していただき、その上で活動に「共感」していただく必要があります。
広報の仕方にも様々な方法がありますが、近江さんが紹介した新聞広告と新聞記事の費用の違いについて、特に明らかな違いがあると感じました。

【記事と広告の費用の違い】
記事:無料 広告:高価
一面の広告を載せる500万円、一段のみでも70万円(京都新聞) 
2面の広告だと3,000万円(日経新聞)

新聞に広告を出すのは地方の中小企業や個人にとってはかなりハードルが高そうです…

2.広報戦略と広報施策の立て方

広報戦略や広報施策を立てる上で下記の項目をポイントに考えることが重要です。

Point1  事業や取組の「目的」は?
Point2  その「目的」のために何をしますか?
Point3
  その「取組」は「誰」が対象ですか?
Point4 そのひとに「どのように」伝えますか?

また、AISASモデル(Attention、Interest、Search、Action、Share)を参考に、ひとの行動がつながるように、全ての施策をスケジューリングすることが重要だといいます。

3.ニュース(ネタ)の出し方・作り方

①ネタ(情報)を探す 
取り組んでいることは何?売り出したいものは何?
②ネタを磨き上げる
第三者が注目すべき点は何?メディアの関心を誘うネタに昇華させる

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4.マスメディアへのアプローチ

Point1 9項目を抑える
6W(Who、Whom、When、Where、What、What、Why)
3H(How mush、How many、How Long)
Point2 簡潔かつ明確に
・基本はA4で1~2枚程度
・各部環境や会社概要は参考資料に
・構成は ①タイトル②リード③本文④参考資料 の順に
Point3 ビジュアルの工夫
文字書体、図や写真などを工夫し、読みやすさ、分かりやすさにこだわる(ゴテゴテにしない)
Point4 アウトプットをイメージする
Point5 プレスリリースの7つの要素を意識する
新規要素:市場にこれまでなかった商品やサービス、取組
季節要素:季節や時節に沿った商品やサービス、取組
時流要素:他のニュースや時流に沿った商品やサービス、取組
実利要素:情報の受け手に実利のある商品やサービス、取組
技術要素:今までになかった技術を有した商品やサービス、取組
大成要素:将来性のある商品やサービス、取組
実績要素:既存の商品やサービス、取組

ここで参加者にチームに分かれてもらい、ワークショップを行いました。
各チームから様々な意見が出されました。

★ワークショップ1

(株)タカラトミーのプレスリリースを読み、良い点と改善点を挙げる

<チームA>
良い点:
写真があるのでイメージしやすい
写真に物だけでなく手も映っているためサイズ感などイメージしやすい
改善点:
1日200件ほど読まないといけないメディアからすると文字量が多く読みにくい
ターゲットは20代~30代の男性とあるが、内容を読むとターゲットに響くような書き方になっていない

<チームB>
良い点:
詳しく説明されており良く分かった
改善点:
文字量が多い
タイトルも工夫が必要
ユーザー目線ではなく開発者目線になっている

<チームC>
良い点:
細かく情報が載せられている
タイトルに押し出したいポイントが太字で分かりやすく表示されている
2ページ目に①~③で項目を分けて書かれている
改善点:
特徴が多いため、どれかにポイントを絞ってアピールすれば良いのでは
1文が長い
特段必要のない説明文が多い→必要最低限の出来ることを抜粋して書く
注釈が多い
2ページ目の商品概要を初めに持ってきたら良いのでは
写真は1ページ目に持ってくる
会社概要がない

ワークショップ1の後、講師の近江さんから以下のポイントについてまとめがありました。
・何よりもプロダクトはビジュアルが重要
・長すぎる文章はご法度
・ターゲットを定め、読み手がどう感じるかをイメージしながら書く

★ワークショップ2

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続いて各参加者が用意したメディアリリースを共有し合い、改善点を話し合いました。
多くの参加者から講師の近江さんへ自身が悩まれている広報の戦略方法や質問などが寄せられました。

Q:プレスリリースをどこに送るのが一番効果的?
→全国的に行われるツアーであれば全国に配信されるメディアが一番効果的
プレスリリースの配信サービス(PRタイムズ30本/月までで3万/1件)も利用しながら直接関係性のあるメディアに共有できるのが理想
市役所を通じて記者クラブに繋げていただくなども良いのでは

Q:PR活動をどのように広げていけるか?またどのように効果測定するか
→記事として取り上げていただくのが1つの方法
メディアキャラバン(2泊3日10組300万程度)を利用し取材陣に来ていただき、情報バラエティー番組などに取り上げてもらうよう交渉をする
一見この方法は高額に見えるが、広告費に換算すると得です

Q:カリスマブロガーなどインフルエンサーを使う有効性は?
→カリスマブロガーだとハッシュタグにPRしているという事を入れないといけないため、フォロワーがどう感じるかに作用されてしまう
UGCと呼ばれるインフルエンサーではない若者に自発的にハッシュタグを付けて拡散してもらう方法の方が効果的な場合もある

Q:イベントの広報の仕方について教えてほしい
プロボクサーが出演されるイベントを近日開催予定
現状SNS、ウェブサイト、折込チラシなどで広報をしており、ターゲットは地元のファミリー層と関西圏のお客様
→スポーツ誌へのアプローチをしてみては

Q:アウトドア研修(企業向けチームビルディング研修)に都市部の方に参加してもらいたいがどのように広報すればいいか
→企業の中でもどのような人たちを対象にしたいかを明確にした上で広報する

Q:環境保全イベントから収益を生み出したい
今後企業研修としても企画を検討している
→企業が実際に実施したという事例を出す
名のある企業だとこれが団体やそのイベント自体のネームバリューになる
また自身のメディアも積極的に活用し、「~が参加しました」という事例をここでも発信する
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この質問に関しては、他の参加者からもアドバイスがありました
→海洋ゴミに関係するイベントなのであれば日立造船、ヤンマーなど海関係の企業に直接アプローチしてみては?
例えばスイス村の場合、スイス大使館に来てもらうことができた
こじつけでも言葉やジャンルの結びつきからどんどん機会を繋げていく

Q:朝活をする方(釣り人、ロードバイク、ホテル宿泊客、車中泊)をターゲットに卵かけご飯を広めたい
→卵かけご飯のメッカになっているという状況をイメージしながら集客する
SNSだけの広報だけだと難しいため、卵かけご飯に軸を通したイベントなどを開催してみる(卵かけご飯早食い大会、こんな卵かけご飯やってみた等)

Q:京丹波のブランド豚を京丹後でアピールする方法
→ブランディング方法として、広告費にある程度投資をするというのも1つの方法です。
また、メディアに注目してもらうためにはある程度の斬新性も必要
京丹波高原豚という一見聞き覚えがない言葉を武器にしてはどうか?
“産学連携”をするなど商品自体ではなく、取組に対してアピールしていく

5.メディア露出後から「チャンス」を活かす

最後に近江さんから、広報の心得について紹介がありました。
①取材は取りに行く
②プレスリリースは基本要素を盛り込みメディアアプローチの武器とする
③メディアに取り上げられて終わりではなくwebサイトやSNSで再アピールする
④写真は次に取り組む際の宝! たくさん残しプレスリリースにも活用

6.さいごに

今回の研修では普段なかなか聞くことが出来ないけれど、それぞれの商品やサービスをお客様に知っていただくために最も重要なスキルの1つである広報の仕方やメディア戦略について、講師の近江さんにお世話になり基礎から事例を交えたワークショップ、また参加者それぞれで用意していただいた質問へのフィードバックなどを通して多くのことを学ぶことが出来ました。

今後も皆様の事業に役立つ講座を行っていきますので、是非下記丹後リビングラボサイトや各SNSでイベント情報をチェックしてみてください♪